2023-01-01から1年間の記事一覧

何もかも憂鬱な夜に/中村文則

「アメーバとお前を繋ぐ何億年の線」 「現在というのは、どんな過去にも勝る。」 「お前の命というのは、本当は、お前とは別のものだから。」 恩師である施設長の言葉、主人公の僕の言葉に感銘を受けた。 自分自身の人生を俯瞰して見る、過去からの大きな流…

正欲/新垣結衣、磯村勇斗

衝撃を受けた。 新垣結衣さん、磯村勇斗さんの「目」の演技に心を奪われた。 死んだ目、なにかを諦めたような表情。 社会の多数派ではない価値観を持つ人達だからこそ、人一倍感じるであろう思い。 誰かと思いを共有したい。自分のことを理解してほしい。同…

アナログ/二宮和也 波留

タイトルの「アナログ」に作り手の想いが集約されている。 1人1台のスマホが当たり前でラインやSNSで他者と簡単につながることができるこの時代に、「毎週木曜日に、同じ場所で会う」約束を交わす。 連絡を簡単に取ることができないため、お互いに行き違い…

誰も戦争を教えられない/古市憲寿

「戦争を知らずに、平和な場所で生きてきた。そのことをまず、気負わずに肯定してあげればいい。」 この部分だけを切り取ると、腑に落ちないかもしれない。 『きちんと過去の戦争に向き合わないといけない、世界各地で勃発している紛争当事者に思いを馳せて…

神時間力 時間を使いこなせば人生は思い通り/星渉

・人生とは時間の投資である。24時間という限られた時間を何かに投資している。 ・人生から得たい結果を決めろ。そうすれば、時間の使い方が明確になる。 ・【人生の公式】 得られる結果(ゴール)=投資した時間 × 行動レベル ・趣味や娯楽に時間を使うこと…

ケイコ 目を澄ませて/岸井ゆきの

「映画」らしい映画。音が少なく、光の映像が際立つ。 ドラマと映画の線引きが難しい時代にアナログな映画だった。 ケイコは強い。作中のセリフである「人間としての器量が大きい」。 聴覚障がい者として、日常生活、ボクサーとして、仕事など、あらゆる場面…

PLAN75/倍賞千恵子

「映画の中のこと」で片付けられない不安感、不快感が残る。 今現在のお年寄りよりも、40代、50代の心に響く。近い将来にありうるかもと考えさせられる。 「75歳以上のお年寄り」と一括りにされた先には、個々の人格、尊厳、一人一人の物語がある。 コ…

空気階段、東京03コントライブを見て

芸人のコントライブを生で初めて見た。 空気階段「無修正」、東京03「寄り添って割食って」。 全体構成が面白い、すべてのストーリーがつながっている。 テレビやYoutubeで細切れで見ているとわからない。全編を通して見ないと魅力が伝わらない。 演者と観…

娘の読書感想文

小3の娘が夏休みの宿題で読書感想文を書いていた。 しばらく前に祖母に買ってもらった「ウォルト・ディズニー」の伝記マンガについて書くらしい。 内容を見ると、「ウォルト・ディズニーは〇〇年にアメリカの〇〇で生まれた。〇才の頃に家族で〇〇に引っ越…

高野豆腐店の春

藤竜也がすごく良い。カッコよくて、チャーミングで、時にカッコ悪くて。愛すべきキャラクターを見事に演じている。 生きていく上で、自分自身が大切にすべきものは何かを考えさせられる映画。 豆腐作り、娘の春、友人、大切なものがハッキリとしている人は…