老いてはネコに従え/養老孟司、下重暁子

〇死に集中すると生を見失う。

コロナ以降、教育現場でマスクの強制

「とにかく子ども死なせなきゃいいんだ」という考えから抜け出せない。

「死なない」ということが重要で、子どもたちが「どう生きていくか」なんてことが二の次。

死ぬっていうことに集中すると、生きることがわからなくなる。

 

〇国家観

下重さん

私たちの世代は子ども時代、大人たちがいっていたことが嘘だらけだったという現実を嫌というほど見せつけられた。当然、国家というものに対しても非常に懐疑的、疑り深くない。日本が戦争に負けた時、小学校3年生、親も先生も含め、大人のいうことはまったく信用ならないと肌で感じた。そして、「自分一人だけは自分で食べさせて、自分でものをいえるようにならなければダメだ」って心に決めた。

養老さん

国家が「これが正義だ」といってきたら反射的に、「そんなものは嘘に決まっている」と考える。

下重さん

やっぱり私たちは戦争を経験しているというところが大きい。一夜にして世の中の価値観がひっくり返る経験。

 

〇日本は自然災害でしか変われない

2038年頃に東南海地震南海トラフ自身が発生する。東南海地震は首都直下地震を誘発する可能性もあるので、その場合は東京は深刻な事態は免れない。この自然災害がくると、日本はかなりガチャガチャになる。

東京がなくなることで初めて、それぞれの地域が自立しなくてはやっていけない状況が生じる。少ない人口でいかに豊かに生きるかを考えなくてはいけない。

 

〇「意味を求める病」

暇だからこそ余計なことを考えてしまう。

 

〇一生懸命遊ぶために仕事をしている

下重さん

自分一人くらいは食べさせることができる経済力がないと、自由は獲得できない。自分のことは自分で決める自立心がないと、自由は得られない。精神的な自立と経済的な自立さえあれば、何歳になっても自由でいられる。

養老さん

「行きがかりと成り行き」が大きい。人生なんて自分でコントロールできるもんじゃない。その瞬間、瞬間を生きていくしかない。